とき子のインナートリップ
螺旋 ・・・・ うちなる声に導かれて
内なる声に導かれて ・・・・ 出来るところから始めよう
それは思いも拠らない心の奥底から飛び出した一つの想念だった。 ――― 出来るところから始めればいいじゃないか。 ―――
そうだ、出来るところから始めれば良いのだ。そう思った途端、この想いが私の中を占領した。そしてつい先程まであったあの苦しみが跡形もなく消えてしまったのだ。そこにあったのは心の変化であり、状況にもう負けてはいない私自身であった。この日を境にして私の人生は急カーブを描いたようだ。とはいっても事態が変わったわけでも特別なことが出来たわけでもなく私に出来たのは本屋での立ち読みぐらいだった。
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目次 混沌 ( Start 01 ) ← 螺旋 ( 02 ) → 真言 ( 03 )
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